
この記事の監修者
青山北町法律事務所 代表弁護士
松本 理平(まつもと りへい)
消費者詐欺分野で長年、詐欺業者と対峙をしてきました。消費者詐欺分野の類型や手口に精通しています。詐欺業者のウィークポイントや実態にも詳しく切り込みます。その他、全国ネットでのテレビなどコメンテーター等にてメディア露出多数
「占いで逮捕者が出た」というニュースを目にして、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
これまで、占いサイトでの被害は「形のないサービスへの対価」として、警察も介入が難しい「民事のトラブル」として扱われがちでした。
しかし今、その状況は大きく変わりつつあります。2025年6月には、宝くじ当選を騙って組織的に金銭を搾取していたグループが実際に逮捕されるなど、悪質な占いサイトの運営は明確な「犯罪」として厳しく取り締まられるようになっています。
占いを信じれば宝くじに当せんすると偽り、現金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は5日までに、詐欺容疑で、いずれも職業不詳・・・ら8人を逮捕した。いずれの認否も明らかにしていない。
逮捕容疑は昨年5月下旬~今年3月上旬、占師を装って「(宝くじで)高額当せんを引き当てることができる」と偽り、鑑定料名目で熊本県の70代女性から計約740万円をだまし取った疑い。
同課によると、グループは「よい運気が来るので、私の鑑定を受けてほしい」などと占いの勧誘メールを送信。添付したリンクから誘導した占いサイトで「天神福寿」などと名乗り、占いで判明した宝くじの番号や当せん日を教えるために必要だと偽って「鑑定料」を請求していた。
女性は金を振り込んだものの、求める情報は得られなかったが、「きょうは必ず当たる」「苦労した人生が終わる」などと言われ、繰り返し金を払っていた。
時事通信(「占いの鑑定料」名目で詐取容疑 被害約5000万円か、8人逮捕―警視庁)
あなたが今抱いている「何かがおかしい」「いつまでも鑑定が終わらない」という違和感は、決してあなた自身の思い過ごしではありません。
そこには、警察を動かすほどの組織的な詐欺の手口が隠されている可能性があるのです。
本記事では、実際に刑事事件化し、逮捕者が出た最新の事例をもとに、どのような手口が「詐欺」とみなされるのか、その具体的な境界線を解説します。
また、警察の介入(刑事事件)と返金請求(民事事件)の違いについても触れ、あなたが今取るべき最善の行動を明らかにします。
「警察は動いてくれない」と諦める前に、まずは法律と実務が示している「現実」を確認してください。
占いサイトの運営で逮捕者が出るケースが増えています。特に「宝くじ当選」などの断定的判断や、実体のないサクラを用いた組織的な集金は、警察が「詐欺罪」として立件する主要なポイントです。
ただし、「犯人の逮捕」と「お金の返還」は別問題であるため、返金を第一に考えるなら、刑事手続きと並行して弁護士による民事の交渉を行うことが不可欠です。
悪質な占いサイトや占い詐欺に支払ったお金は返金の請求ができる場合があります。
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実際に逮捕者が出た占い詐欺の事例
占い詐欺が「犯罪」として厳しく取り締まられるようになった象徴的な事件が、2025年6月に報じられた警視庁捜査2課による摘発です。
この事件では、指示役を含むグループ8人が、組織的に「偽の当選情報」を流して現金をだまし取っていたとして詐欺容疑で逮捕されました。
巧妙な「当選への誘導」
逮捕されたグループは、「天神福寿」などの名称を用いた占いサイトを運営し、不特定多数に「よい運気が来る」といった勧誘メールを送信していました。
この事件の特筆すべき点は、ターゲットをサイトへ誘導した後、「占いで判明した宝くじの当選番号や当選日を教える」という、具体的かつ魅力的な「嘘」を入り口にしていたことです。
これは、占い詐欺の典型的な手口である「断定的判断の提供」(あり得ない利益を確実であるかのように告げる行為)の最たる例であると同時に、逮捕事例としては詐欺罪の構成要件である欺罔行為(人を欺いて錯誤に陥れる行為)」との判断も加わったものではないかと考えれらます。
組織的に金銭を搾取したきわめて悪質な事例と言えます。
740万円を支払わせた「言葉の罠」
逮捕容疑となった熊本県の70代女性のケースでは、計約740万円もの被害が確認されています。
女性は当初、高額当選を期待して現金を振り込みましたが、約束された情報は一向に得られませんでした。
ここで業者が使ったのが、刑事事件でも「騙しの意図」を裏付ける重要な証拠となった、以下の言葉による執拗な集金です。
- 「きょうは必ず当たる」(虚偽の事実を重ねて期待感を維持させる)
- 「苦労した人生が終わる」(現状の苦しみからの解放を餌に、冷静な判断力を奪う)
こうした言葉を繰り返し投げかけ、女性が「これ以上払ったら損だ」と気づく隙を与えずに連続的な送金へと追い込んでいた実態が、警察の捜査によって明らかにされています。
弁護士からのアドバイス!
実務上、警察が動くほどの事案は、組織が大規模で証拠隠滅のスピードも速いのが特徴です。
逮捕のニュースが出るような状況は、業者が資金を隠し始めるタイミングでもあります。
「逮捕=返金」ではないからこそ、ニュースになるような兆候を感じた時点で、一刻も早く弁護士を介した口座凍結などの民事的な回収手段を講じることが、被害回復の成否を分けます。
占いサイトが「詐欺罪」として立件・逮捕される3つの基準
すべての占いサイトがすぐに警察に摘発されるわけではありません。
しかし、近年の摘発事例(2025年6月の事件など)を見ると、警察が「これは単なる個人の悩みではなく、組織的な犯罪だ」と判断する明確な基準が見えてきます。
主に以下の「3つの悪質性」が揃ったとき、刑事事件としての立件・逮捕の可能性が飛躍的に高まります。
断定的判断の提供(「絶対」「必ず」の嘘)
本来、占いは将来の不確実な事象を扱うものであり、結果を保証することはできません。しかし、悪質な業者は以下のような表現を多用します。
- 「宝くじの1等当選が確定している」
- 「この鑑定を受ければ100%運命が変わる」
- 「今すぐ辞めると一生不幸になる」
このように、根拠がないにもかかわらず「確実である」と信じ込ませる行為は、刑法上の「欺罔(ぎもう)行為=人を騙す行為」に該当します。
鑑定の実態がない(サクラ・定型文の利用)
刑事事件化の最大のポイントは、「最初から占う意思があったかどうか」です。
- 鑑定士の写真がネット上の拾い画である
- 送られてくるメッセージが、他の利用者と同じ「コピペ」である
- 24時間、間髪入れずに返信が来る(組織的な交代制)
実態は占い師ではなく、専門の知識を持たない「サクラ」がマニュアル通りに返信しているだけの場合、それはサービス(役務)の提供ではなく、「金銭を搾取するための装置」とみなされ、詐欺罪の構成要件を満たします。
社会的相当性を逸脱した被害規模と組織性
個人のトラブルであれば警察は「民事不介入」として慎重な姿勢を見せることが多いですが、以下のようなケースでは捜査の優先順位が上がります。
- 被害総額が巨額: 一人で数百万円、数千万円という被害が出ている
- 被害者の数: 全国各地から同様の相談が寄せられている
- 組織的な運営: 広告・勧誘・サクラ・決済代行などが組織的に分業されている
「警察は動いてくれない」と諦める前に
「被害額が少ないから」「証拠がないから」と警察への相談を諦める方も多いですが、昨今の逮捕事例が示す通り、占い詐欺は明確な犯罪です。
当事務所では、警察が捜査に踏み切りやすいように被害届の作成をサポートしたり、刑事事件化を視野に入れた業者への督促を行ったりすることで、返金成功の確率を高めています。
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逮捕・起訴の可能性が高いケースとは?
摘発事例に見られるように、警察や検察が「詐欺」として立件しやすいケースには共通のパターンがあります。
あなたの手元にあるメッセージやサイトの挙動を、以下の項目と照らし合わせてみてください。
射幸心を煽る「NGワード」の連発
「占い」の枠を超え、金銭的な利益や絶対的な結果を約束する言葉は、詐欺罪の構成要件である「欺罔(ぎもう=人をだますこと)」の強力な証拠となります。
- 「宝くじの1等、〇億円の当選番号が視えました」
- 「あなたには〇千万の遺産を受け取る権利があります」
- 「今この瞬間に返信すれば、金運が100%覚醒します」
これらの言葉は、相談者を冷静な判断ができない状態に追い込み、課金を促すための「嘘」である可能性が極めて高いものです。
「辞めさせない」ための脅迫・困惑
相談者が課金を止めようとしたり、退会を希望したりした際に、以下のような不安を煽るメッセージを送ることも、刑事事件化の判断材料となります。
- 「結界が破れ、あなたの運気が一生閉ざされます」
- 「今やめると、あなただけでなく家族にも不幸が訪れます」
- 「守護霊が怒っており、このままでは取り返しのつかないことになります」
異常なまでの「課金のループ」
鑑定が終わる兆しが見えず、次から次へと新しい「儀式」や「ステージ」が追加されるのは、組織的な搾取の典型例です。
- 「あと1通で鑑定が完了します」と言われながら、何十通も続いている
- 意味のない記号(「金」「運」「覚」「醒」など)を1文字ずつ送信させられる
- 複数の「高名な鑑定士」が代わる代わる現れ、全員が課金を勧めてくる
客観的な「証拠」が逮捕の決め手になる
刑事事件として立件するためには、これらのやり取りが「記録」として残っていることが重要です。
- サイト内のメッセージ画面のスクリーンショット
- 相手から届いたメールの履歴
- 振込明細やクレジットカードの利用履歴
もし「自分のケースも当てはまる」と感じ、かつ上記のような証拠が手元にあるのであれば、それは警察が動く可能性のある「事件レベル」の被害であると考えられます。
刑事事件と民事返金の違い|「犯人が捕まればお金が戻る」は誤解?
占い詐欺の業者が逮捕されたというニュースを聞くと、「これでようやくお金が戻ってくる」と安心される方が少なくありません。
しかし、日本の司法制度において「加害者への処罰(刑事)」と「被害の回復(民事)」は全く別の手続きであることに注意が必要です。
理解を深めたい
警察・消費者センター・弁護士など、それぞれの窓口の役割についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

警察の目的は「処罰」であり「返金」ではない
警察や検察といった捜査機関の主な役割は、犯罪事実を明らかにし、犯人に法律に基づいた刑罰(懲役や罰金など)を科すことです。
- 警察ができること: 業者の逮捕、家宅捜索による証拠の押収、取り調べ。
- 警察が(原則として)できないこと: 被害者に代わって業者と交渉し、お金を取り戻すこと。
実務上、警察が捜査の過程で業者の銀行口座を凍結することもありますが、そのお金が自動的に被害者全員に全額戻ることは稀です。
多くの場合、「振り込め詐欺救済法」などに基づき、残った残高を被害者全員で分配する形になりますが、被害総額に対して残高が極端に少ない場合、手元に戻る金額はごくわずか(数百円〜数千円程度)になってしまうケースも珍しくありません。
弁護士による「民事交渉」が返金の近道
一方で、弁護士が行うのは「民事上の返金請求」です。
これは、業者に対して「不当に得たお金を返しなさい」と直接交渉したり、訴訟を起こしたりする手続きです。
刑事事件の事例があることは、この民事交渉において非常に強力な武器になります。
- 「詐欺」の立証が容易になる
- 警察が動いた事実は、その業者の行為が「不法行為(違法)」であることの強力な裏付けになります。
- 業者への強力な圧力
- 逮捕や実刑判決を恐れる業者は、刑を軽くするために「被害者との示談(返金)」に応じようとする心理が働きます。
- スピード感のある回収
- 警察の捜査が進み、業者の資産が差し押さえられたり使い果たされたりする「前」に交渉を開始することで、回収の可能性を最大化できます。
刑事事件化を「追い風」にする戦略
「逮捕されたから終わり」ではなく、「逮捕事例があるからこそ、返金交渉が有利になる」と考えるのが実務的な正解です。
当事務所では、刑事事件としての立件可能性を視野に入れつつ、加害者側が最も嫌がる「法的ルートでの直接交渉」を並行して行います。
警察への被害相談をサポートしながら、同時に民事での返金を勝ち取る。この両輪の動きこそが、確実に被害を回復するための最善の戦略です。
まとめ
占いサイトによる被害は、決してあなたの「自己責任」ではありません。逮捕事例が示している通り、過度な期待を抱かせて金銭を搾取する行為は、社会的に許されない「組織的な詐欺犯罪」です。
最後に、被害回復のために大切なポイントを振り返りましょう。
- 占いサイト詐欺は刑事罰の対象
- 「必ず当たる」などの断定的表現や、実態のないサクラによる鑑定は詐欺罪に問われる可能性があります。
- 「逮捕=返金」ではない
- 業者が捕まっても、自動的にお金は戻りません。手元に現金を回収するには、別途「民事上の返金請求」が必要です。
- 刑事事例は民事の武器
- 過去の逮捕事例や最新の摘発情報は、業者との返金交渉において、相手を追い詰める強力な材料になります。
- スピードが命
- 業者がサイトを閉鎖したり、資産を隠したりする前に、法的措置を開始することが返金成功の鍵を握ります。
「騙されたことが恥ずかしい」「家族に知られたくない」という思いから、一人で抱え込んでしまう方が多くいらっしゃいます。
しかし、時間が経てば経つほど、業者の足取りを追うことは困難になります。
「おかしい」という違和感を持ったタイミングで立ち止まり行動するようにされてください。

